学生ローンの返済と信用

借りたものは返す。
これは昔からあることわざだが、当たり前の話のようでなかなか実践できない事が多い。
自分も人の事を言えたギリではないのだが、年を取るにつれ、この言葉の意味が重くのしかかってくる。
学生ローンや消費者金融においてのクレームは、えてして支払いの延滞者からが多い。
これの意味するものは、何なのかと考えさせられる。
マジメにきちんと支払いをする人は、ほぼクレームを入れる人はいない。
自分もそうだったからよくわかるのだが、支払いを延滞すると言い訳ばかりしてしまうところがある。
言い訳のうちは良いのだが、延滞日数が長期化すればするほどトラブルとなるケースが多く、こういった人たちの中からムチャクチャな事を言い出す人たちが出てくるものだ。

返済の事について、まずは整理して検証してみたい。
まず、借りる時は貸付条件の説明を受け、納得したから契約をしたはずである。
学生ローン側も契約内容に同意したから貸したのであって、もし金利などで不満があるなら、最初の時点で借りなければ良かったのだ。
たまに、「いつか返すんだからいいだろ!!」と、開き直る者もいるが、これはナンセンスである。
金銭消費貸借契約においては、貸した側には期限の利益というものがある。
期限の利益とは、貸した金が約定通りに支払われた場合、その資金を別途運用できるが、支払いがないと運用できないばかりか、返してもらえるのかどうか不安にさえなる。
ヘタをすれば取りっぱぐれる危険さえあるのだ。
本来なら収入として見込めるはずのものが見込めない。
これが期限の利益というものである。

返済をきちんと守る人と守らない人、これはある意味道徳の問題だと思う。
要は性格だ。
例えば、アバイトの収入が入った時、まず学生ローンの支払いを優先させる人と遊び郵船にする人がいるが、前者は几帳面で物事を正しく判断できる人、後者はズボラでその場しか考えないグウタラ人間という事である。
このような性格の相違が、返済にも表れるのだ。
支払いとは人間性が現れるものであり、性格がそのまま出るものだ。

学生ローンは無担保無保証の完全な信用貸しである。
信用そのものが担保なので、信用を失墜した場合には返済を求められるのも仕方のないところだ。
信用は一度失うとなかなか取り戻す事はできない貴重な財産だ。
学生ローンでお金を借りるという行為は、法律行為である。
法律行為をする以上、約束事は守らなければならない。
学生ローンで契約をする場合、その事を十分に頭に入れておく必要があるだろう。